大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和62年(ネ)2126号・昭62年(ネ)1157号 判決

そこで、過失相殺について検討するに、哲久は無免許で本件自動二輪車を運転し、夜間照明設備もない暗闇の堤外地に存する本件高水敷道路に乗り入れたものであり、かかる場合、一般道路と異なり安全性に対する整備が十分でなく、いかなる危険がひそむやも測り難いのであるから、運転者としては、十分減速するとともに前方に対する注視を怠らず自らの危険をも防止すべき注意を払って安全運転を期すべきであるのに、所用の目的もないのに、右の事情を全く考慮することなく漫然上記のとおり少なくとも時速一〇〇キロメートル前後の高速で疾走した結果本件事故を発生せしめたものであって、これが事故発生の原因は同人の前方に対する注視を怠った過失も大きいものというべく、また、俊も哲久の右運転を肯認して同乗したものであるから同人と過失の程度を同視すべく、右両名の過失が本件事故原因の一端をなしていることは明らかであって、仮に哲久がヘルメットを着装していても、前記過失の存在、程度を左右するに足る事情とはなし難い。

そして、哲久・俊の過失割合は、六割であると認めるのが相当である。

(舘 牧山 小野)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!